注文住宅を検討し始めると、「間取りって自分で考えていいの?」「何からどう決めればいいの?」と迷う方が多いです。
結論からいうと、間取りを全部自分で決める必要はありません。ただ、「自分たちはどう暮らしたいか」を整理しておくことが、ハウスメーカーや設計士との打ち合わせをスムーズにする一番の近道です。
この記事では、注文住宅の間取りを考えるときに「まず何をすべきか」を、初心者向けに整理します。
この記事について iekatsu編集部が、家づくりの初期検討をしている方向けに、間取りの考え方と進め方を整理しています。設計士・建築士への相談前に読む「準備の記事」としてご活用ください。
注文住宅の間取りを「自分で決める」とはどういうことか
間取りを「自分で決める」といっても、図面を自分で引く必要はありません。
一般的な流れはこうです。
- 家族で「どんな暮らしがしたいか」を話し合う
- 要望をメモ・リストにまとめる
- ハウスメーカー・設計士にそのリストを渡して、プランを提案してもらう
- 出てきたプランに対して「ここを変えたい」「ここはこうしたい」と意見を言う
つまり「自分で考える」のは”要望の整理”であり、図面を引くことではないというのが正しい理解です。
要望が整理されているほど、設計士からのプランが的外れになりにくく、打ち合わせの回数も減ります。
間取りを決める前に整理すること

1. 家族構成と将来の変化
現在の家族構成だけでなく、5〜10年後の変化も考えておくと後悔が減ります。
| 考えるポイント | 具体例 |
|---|---|
| 現在の家族構成 | 夫婦2人、子ども1人など |
| 子どもの人数・年齢 | 増える可能性、部屋を分けるタイミング |
| 親との同居・二世帯 | 将来の介護、玄関の共有・分離 |
| テレワークの有無 | 書斎・個室の必要性 |
| ペット | 専用スペース、床材の選択に影響 |
2. 暮らし方のクセを洗い出す
「理想の間取り」より「実際の暮らし方」を先に整理したほうが、失敗しにくいです。
よく聞く後悔ポイントと、事前に考えておきたいこと:
- 洗濯の動線:洗濯機→干す場所→収納の流れが遠いと毎日のストレスになる
- キッチンと玄関の距離:買い物の荷物をどこから運ぶか
- リビングの使い方:来客が多いか、家族だけのプライベート空間にしたいか
- 収納の場所と量:「収納が足りない」は注文住宅の後悔ランキングの常連
iekatsu編集部より 間取りを考えていると「開放的なリビングにしたい」「大きな窓が欲しい」など”見た目の理想”が先行しがちです。ただ実際に住んでから後悔する方の多くは「暮らしの動線が不便だった」と言います。まずは”今の生活のどこが不便か”を書き出すことをおすすめします。
間取りを考えるときの「優先順位」の決め方
注文住宅の間取りは、すべての要望を100%叶えることはできません。予算・土地の広さ・構造的な制約があるからです。
だから「何を最優先にするか」を先に決めておく必要があります。
優先度を整理するフレーム
以下の3軸で「こだわりレベル」を整理すると、打ち合わせが進めやすくなります。
| 項目 | 絶対に譲れない | できれば欲しい | なくても困らない |
|---|---|---|---|
| 部屋数・広さ | |||
| 収納スペース | |||
| リビングの開放感 | |||
| 家事動線 | |||
| 将来の可変性 | |||
| 駐車スペース | |||
| 庭・外構 |
このフレームを家族で埋めると、「意見のズレ」が見えやすくなります。夫婦で異なる優先度を持っていることはよくあるので、打ち合わせ前に共有しておくのがおすすめです。
間取りアプリ・ツールは使うべきか
「間取りシミュレーションアプリで自分で図面を引きたい」という方も増えています。試してみること自体は問題ありませんが、いくつか注意点があります。
| ツールを使うメリット | 注意点 |
|---|---|
| イメージが具体的になる | 実際の建物の構造制約は反映されない |
| 家族への説明がしやすい | 法規・採光・換気の要件は考慮されていない |
| 要望の整理に使える | プロの設計図とは別物 |
アプリで作った間取りをそのまま「これで建てたい」と持ち込むのではなく、「こういうイメージです」という”会話のきっかけ”として使うのが適切な活用方法です。
ハウスメーカー・設計士に相談する前の準備チェックリスト
以下の項目を整理してから相談に行くと、初回の打ち合わせが格段にスムーズになります。
- [ ] 家族構成・将来の変化(5〜10年)を書き出した
- [ ] 今の住まいで不便に感じていることをリストアップした
- [ ] 「絶対に譲れない条件」を3〜5個に絞った
- [ ] 「できれば欲しい」「なくても困らない」を分けた
- [ ] 気になる間取りの写真・画像を3〜5枚集めた(SNS・雑誌など)
- [ ] 延床面積の目安(坪数)をざっくり把握した
- [ ] 駐車台数・庭の有無は決めた
全部そろっていなくても大丈夫です。ただ、上の3つは最低限整理しておくと、設計士に「どんな暮らしがしたいか」が伝わりやすくなります。
間取りはいつ、誰と決めるのか

間取りの打ち合わせは、ハウスメーカーを絞ってから本格的に始まるのが一般的です。
大まかな流れ:
- 情報収集・比較:ハウスメーカーを3〜5社に絞る
- 展示場・相談:各社の設計士・営業と初回面談
- ヒアリング:要望をもとにラフプランを作成してもらう
- プラン調整:何度かの打ち合わせで詳細を詰める
- 契約・本設計:間取りを確定して着工へ
つまり「ハウスメーカーを選ぶ前に間取りを完全に決める」必要はありません。まずはメーカーを絞り、提案を比較しながら形にしていくイメージです。
まとめ
注文住宅の間取りを「自分で決める」ために必要なことを整理します。
- 図面を自分で引く必要はない。整理すべきは「暮らし方の要望」
- 家族構成・暮らしのクセ・優先順位の3つを先に整理する
- 間取りアプリは「イメージ共有のツール」として活用する
- 「絶対に譲れない条件」を3〜5個に絞ってから相談に行く
- 間取りはハウスメーカーを絞った後、設計士と一緒に作っていくもの
間取りを決める前に、まだハウスメーカーが絞れていない場合は、診断を使って方向性を整理してみてください。
ハウスメーカーをまだ絞れていない方は、ハウスメーカー相性診断(全12問・約2分)で候補を整理するところから始めるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 間取りは完全に自由に決められるの?
注文住宅なので要望は出せますが、土地の形・建ぺい率・容積率・構造の制約があります。「自由度が高い」という意味で注文住宅を選ぶ方が多いですが、何でも100%希望通りになるわけではないため、優先度を整理しておくことが大切です。
Q. 間取りを考えるのに向いているアプリはある?
「間取りソフト」「間取りシミュレーター」と検索すると複数出てきます。ただし、あくまで「イメージ共有のツール」として使うのがおすすめです。法規・構造・採光の要件はプロに確認が必要です。
Q. 設計士に要望を伝えるのが苦手。どうすればいい?
言葉で説明するのが難しければ、SNSや雑誌で「いいな」と思った間取りの写真を3〜5枚集めて持参するのが効果的です。「これの◯◯の部分が好き」と言えるだけで、設計士に伝わりやすくなります。
Q. 間取りはいつまでに決める必要がある?
ハウスメーカーとの契約後、着工前の設計期間(一般的に数ヶ月)に詰めていきます。展示場に行く段階では、完全に決まっていなくても問題ありません。まずは「方向性と優先度」があれば十分です。

