小上がり和室のメリット・デメリット|サイズ別の設計と収納活用

  • URLをコピーしました!

小上がり和室は「収納が増える・腰かけやすい・リビングにメリハリが出る」の3点が主なメリットです。一方で、段差があるためバリアフリーには向かず、将来の暮らし方によっては後悔につながるケースもあります。この記事では、小上がり和室のメリット・デメリット、サイズ別の設計ポイント、費用の目安まで整理します。


目次

小上がり和室とは?フラットな和室との違い

小上がり和室とは、リビングなどのフローリング床から20〜40cm程度高く設けたスペースのことです。フラットな和室と異なり、床の段差そのものが腰かけ・収納・空間の区切りとして機能します。

3〜4.5畳程度のコンパクトなサイズでLDKの一角に設けるケースが多く、「和室をつくるほどではないが、ゴロッと横になれる場所がほしい」という家庭に選ばれています。2025年現在、新築注文住宅でも根強い人気があります。

フラット和室と小上がり和室の比較

比較項目フラット和室小上がり和室
バリアフリー対応しやすいしにくい(段差あり)
収納別途必要床下を活用できる
腰かけやすさしにくい段差がソファ代わりになる
空間の区切り感弱い自然に生まれる
設置費用目安比較的安いやや高い(20万円〜)

小上がり和室の4つのメリット

床下を収納に使える

小上がり和室の最大の実用メリットは、段差の下に収納スペースを設けられることです。引き出し式・フタ式・扉式など複数のタイプがあり、季節用品や布団など大きめの荷物を収納するのに向いています。LDKは収納が少なくなりがちなため、床下収納として活用できる点は設計上のメリットとして評価されています。

腰かけとして使いやすい

段差の高さが30〜40cm程度あれば、椅子の座面と同じくらいの高さになります。ソファを置かなくても段差に腰かけてテレビを見たり、子どもと話したりしやすくなります。とくに小さい子どもや高齢者が同居する家では、フラットな畳への立ち上がりより負担が少ないという声も多いです。

リビングに空間のメリハリが出る

床の高さが変わることで、LDK全体が立体的に見えます。フローリングと畳で素材が切り替わる視覚的な効果もあり、仕切り壁を設けなくてもゾーニング(空間の使い分け)がしやすくなります。

ほこりが入りにくい

床面より高い位置にあるため、フローリング上を移動するほこりやゴミが畳エリアに入りにくいです。洗濯物を広げて畳んだり、赤ちゃんのおむつ替えや昼寝スペースとして使ったりする家庭も多く、清潔に保ちやすい点が喜ばれています。


小上がり和室の3つのデメリット

バリアフリーに対応しにくい

段差があるため、将来的に車いすが必要になったり、足腰が弱くなったりした場合には使いづらくなります。老後まで長く住む予定の家や、介護を見据えた設計を考えている場合は慎重に検討が必要です。

小さい子どもの転落リスクがある

乳幼児が段差から転落する事故は実際に起こります。子どもが小さい時期は特に、段差の端に柵をつけるかどうかを事前に検討しておく必要があります。段差が高いほどリスクは増すため、子育て世帯では高さの設定を慎重に行うことをおすすめします。

リビングが狭く感じる場合がある

小上がりの面積分だけ、フローリング部分の床面積が減ります。もともとLDKが広くない間取りでは、小上がりを設けることでかえって圧迫感が出るケースもあります。3畳以下に留めるか、設計段階でLDK全体のバランスを確認することが重要です。


サイズ別の設計ポイント

3畳(約5㎡)の場合

コンパクトで圧迫感が出にくいサイズです。一人でゴロッと横になれる広さは確保できます。子どもの昼寝スペースやワークスペースとして使うには十分ですが、来客用の寝室や布団を敷いて就寝するには少し狭いです。設置費用の目安は15〜20万円程度です。

4.5畳(約7.5㎡)の場合

最も多く選ばれる標準的なサイズです。大人が2人横になれる広さがあり、ゾーニング効果も出やすいです。床下収納も充実させやすく、引き出し式収納を3〜4か所設けることも可能です。設置費用の目安は20〜30万円程度(収納なしの場合)で、床下収納を追加すると30〜40万円程度になります。

6畳(約10㎡)以上の場合

一室分の和室に近い広さです。仕切り扉や引き違い戸を設けて「独立した和室として使いたい」という場合に向いています。ただし設置費用も高くなり、LDKとのバランスが崩れやすいため、設計段階でハウスメーカーや工務店と十分に打ち合わせすることが必要です。


段差の高さはどう決める?

小上がりの段差は20〜45cm程度の範囲で設定することが多いです。用途によって適切な高さが変わります。

段差の高さ特徴・向いている用途
20〜25cm転落リスクが低い。子どもが小さい家庭向け。収納スペースは限られる
30〜35cmバランスが取れた一般的な高さ。腰かけやすく収納も確保できる
40〜45cm椅子と同じ高さ感覚で腰かけやすい。床下収納が深くなる。転落注意

子育て世帯では低め(20〜25cm)、収納を重視する場合は高め(40〜45cm)を選ぶ傾向があります。どちらを優先するかを家族で話し合っておくことが大切です。


収納の種類と選び方

床下収納のタイプは大きく3種類に分けられます。

引き出し式は頻繁に出し入れするものに向いています。布団や季節の衣類など、使用頻度が高いものをしまうのに便利です。ただし引き出しを引く分のスペースが前方に必要になります。

フタ式(上げ蓋式)はスペース効率が高く、大きな荷物をまとめて収納したい場合に向いています。掃除道具やキャンプ用品など、まとめてしまっておくものに向いています。出し入れの頻度が高いものには向きません。

扉式(観音開き)は段差の側面に扉を設けるタイプです。腰をかがめずに出し入れできる点が便利ですが、扉が外側に開くため前方にスペースが必要です。


後悔しないための注意点

仕切りの有無を決める:小上がりをロールスクリーンや引き戸で仕切れるようにしておくと、来客時や子どもの昼寝時など、状況に応じて使い分けができます。開放型のままでもおしゃれな空間になりますが、後から仕切りをつけるのはコストがかかるため、新築時に判断しておくことをおすすめします。

畳の種類を選ぶ:近年は琉球畳(縁なし畳)やカラー畳など、モダンなインテリアに合う畳も多く出ています。従来の縁付き畳より費用は上がりますが、フローリングとの馴染みが良くなります。

掃除のしやすさを確認する:段差の角や畳の縁にほこりが溜まりやすいため、掃除機が届きやすい形状かどうかを確認しておきましょう。

老後の暮らしをイメージする:今は便利でも、10〜20年後に体が不自由になったとき、段差が障害になる可能性があります。将来フラットに変更できる設計にしておくかどうかも、設計者と相談しておくと安心です。


小上がり和室の費用目安

仕様費用目安
3畳・収納なし15万〜20万円
4.5畳・収納なし20万〜30万円
4.5畳・収納あり(引き出し式)30万〜40万円
4.5畳・堀りごたつ追加40万〜50万円

上記は新築時の造作費用の目安です。リフォームで後付けする場合は、既存床の解体費用が加わるため金額は高くなります。収納ユニットを利用した後付けの場合は4.5畳で20万円前後が目安です。


よくある質問

Q. 小上がり和室はバリアフリーにできますか?

段差がある構造のため、車いすでの移動や高齢者のつまずきが起こりやすくなります。バリアフリーを重視する場合は、フラットな和室の設置をおすすめします。小上がりをどうしてもつくりたい場合は、将来フラットに変更できる設計を検討しておくと安心です。

Q. 小上がりの段差は何センチが一番使いやすいですか?

腰かけやすさと転落リスクのバランスから、30〜35cm程度が使い勝手のよい高さとされています。小さい子どもがいる家庭では20〜25cmにして低くする選択肢もあります。収納の深さをしっかり確保したい場合は40cm前後を選ぶ方もいます。

Q. 小上がりを後付けすることはできますか?

リフォームで後付けすることは可能です。ただし既存床の解体・撤去費用が加算されるため、新築時に設置するより費用が高くなるケースがほとんどです。後付けの場合はまず複数の業者に見積もりを依頼して、費用感を確認することをおすすめします。

Q. 小上がりに向いている間取りはどんな家ですか?

LDKが20畳以上ある広めの間取りで効果が出やすいです。LDKが狭い場合は、小上がりを設けることでかえって圧迫感が出ることがあります。また平屋でLDKを広く取った間取りでは、小上がりがゾーニングの役割を果たして使い勝手が向上するケースがあります。


まとめ

小上がり和室は、収納・腰かけ・空間のメリハリという3つのメリットを持つ、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間です。一方で段差があるためバリアフリーには対応しにくく、将来の暮らし方によっては不便になる可能性もあります。

サイズは4.5畳が使い勝手のバランスが取れた選択肢で、段差の高さは30〜40cmが一般的です。新築時に設置する場合は、仕切りの有無・収納タイプ・段差の高さを家族で話し合い、ハウスメーカーや工務店と早めに設計の方向性を決めておくことをおすすめします。

  • URLをコピーしました!
目次