パントリーの形や広さより先に決めるべきことがあります。「何を入れるか」と「誰がどう使うか」の2点です。この順番を間違えると、広いのに使いにくい・キッチンから遠くて結局素通り、といった後悔につながります。
この記事では、ウォークイン・壁面・キッチン横の3タイプを間取り図つきで比較し、広さ別の実例・動線の考え方・費用の目安・よくある後悔まで、設計士に相談する前に整理しておきたいことをまとめます。
この記事についてiekatsu編集部が調査・整理しています。「積水ハウスで実際にパントリーの打ち合わせをした」編集長(施主)のコメントを記事内に差し込んでいます。間取りの最終判断は担当設計士・ハウスメーカーにご確認ください。
パントリーで最初に決めること
形や広さを先に決めようとすると、後で必ず後悔します。 まず「何を入れるか」「誰がどう使うか」の2点を言語化するのが、パントリー計画の正しい入口です。
① 何を入れるか(用途の棚卸し)
食材のストック量、置きたい家電(電子レンジ・炊飯器・ホームベーカリー・ポットなど)、日用品、ゴミ箱の有無を紙に書き出します。書き出す前と後では、必要な広さの感覚がまったく変わります。
② 誰がどう使うか(動線の優先順位)
買い物帰りに直接しまいたいのか、料理中に頻繁に取り出すのか、来客の目線が気になる場所なのか。この3点が決まると、配置と扉の有無が自然に絞られます。
【編集長コメント】 積水ハウスの打ち合わせで設計士に最初に言われたのが「まず入れたいものを全部書き出してください」でした。実際に書き出したら、電子レンジ・炊飯器・ホームベーカリー・ポットだけで4台あって、「これはウォークインじゃないと無理だな」とすぐ分かりました。リストを持参したおかげで、その後の議論がスムーズに進みました。
パントリーは3タイプ、どれが自分に合う?
ウォークイン・壁面収納・キッチン横の3タイプが基本で、選ぶ基準は収納量と動線のバランスです。 <!– 画像1:パントリー3タイプの間取り比較図 –>
| タイプ | 目安の広さ | 収納量 | 向いている人 | デメリット |
|---|---|---|---|---|
| ウォークイン型 | 1.5〜3畳 | 大 | 食材・家電・日用品をまとめたい | 面積を使う。奥のものが取り出しにくくなることも |
| 壁面収納型 | 0.5〜1畳分 | 中 | 省スペースで収納を確保したい | 収納量の上限がある。大型家電は入らない |
| キッチン横型 | 0.5〜1畳分 | 中 | 家事動線を最短にしたい | 通路幅の確保が必要。来客の目線が気になることも |
3タイプのなかで迷う人が最も多いのはウォークインと壁面収納の間です。判断の目安はシンプルで、「家電を2台以上置く予定があるか」「週1回以上まとめ買いをするか」のどちらかに当てはまればウォークイン、両方ノーなら壁面収納で十分なケースがほとんどです。
広さ別の間取り実例
家族構成と買い物スタイルで必要な広さは大きく変わります。1畳未満・1〜1.5畳・2〜3畳の3段階で考えると整理しやすいです。
1畳未満(壁面収納・棚のみ)
2人暮らし、食材を毎日少量購入するスタイル、家電はカウンター上で完結する家庭に向いています。
棚板の奥行きは30cm以上を確保しないと、大きな瓶や缶が入りません。後から調整できる可動式棚を選ぶと、ライフスタイルの変化に対応しやすくなります。
先輩施主の声:「思ったより使い勝手が良かった。棚の高さを可動式にしたのが正解だった」
1〜1.5畳(コンパクトウォークイン)
3〜4人家族、食材のまとめ買いをする、家電を数台収納したい家庭に向いています。
通路幅は最低60cm、余裕を持つなら70〜80cmが目安です。入口を引き戸にすると開口部で動線を妨げないため、使い勝手がさらに上がります。
先輩施主の声:「キッチンとパントリーを回遊できる動線にしてよかった。ゴミ箱も中に置けてキッチンがすっきりした」
2〜3畳(本格ウォークイン)
4人以上の家族、業務用スーパーでまとめ買いをする、冷蔵庫を2台置きたい家庭に向いています。
広くするほど整理しないと「何がどこにあるか分からない」状態になりやすいです。面積だけ決めて終わりにせず、棚の配置計画を間取りと同時に詰めることが重要です。
先輩施主の声:「広くしすぎて中途半端に余ってしまった。最初から棚の配置計画を立てておくべきだった」
棚の計画はどう決める?
棚の奥行き・高さ・素材は、間取りと同じタイミングで決めます。後から変えると追加工事になるためです。
奥行きの目安
奥行きによって収納できるものが変わります。
| 奥行き | 向いている収納物 |
|---|---|
| 25〜30cm | 調味料・缶詰・小物 |
| 35〜40cm | 食材ストック全般・鍋・炊飯器 |
| 45〜60cm | 電子レンジ・大型家電・業務用まとめ買い品 |
一般的な電子レンジの奥行きは40〜50cm前後です。電子レンジを置く棚は45cm以上を確保してください。
可動棚と固定棚
可動棚は棚の高さを後から変えられるため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。子どもの成長に合わせて収納するものが変わる家庭には特に向いています。
固定棚は強度が高く、大型の家電や重い荷物を長期間置く場所に向いています。コストは可動棚より抑えられますが、一度決めると変更が難しいです。
迷ったら上段を可動棚・下段を固定棚にする組み合わせが使いやすいです。重いものは下に置くほうが安全で、上段は使い方の変化に合わせて調整できます。
棚板の素材
メラミン化粧板が最も一般的で、汚れが拭き取りやすく耐久性があります。コストを抑えたい場合はパーティクルボード、湿気が気になる場合はスチール棚も選択肢になります。食材を置く場所なので、耐水性と清掃のしやすさを優先して選ぶとよいです。
配置と動線の考え方
パントリーは「キッチンとどう接続するか」が、毎日の使い勝手を決めます。広さと形の前に、動線を先に固めるのが正しい順番です。
押さえておきたい3つの動線パターン
買い物から直接しまえる動線は、玄関→パントリー→キッチンがつながっている配置です。週1回以上まとめ買いをする家庭では、重い荷物をリビングに通さずに済むため、毎週の負担が大きく変わります。
キッチンと隣接する配置は、料理中にパントリーへ取りに行く距離を最短にします。コンロやシンクから3歩以内に入口があると、毎日の使い勝手が体感的に変わります。
ゴミ捨て動線とのセットは、パントリーの中にゴミ箱置き場を設けることでキッチン周りをすっきりさせる考え方です。ゴミ出しの動線(外への出口)も合わせて確認しておくとよいです。
動線チェックリスト
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 買い物帰りの動線 | 玄関からパントリーまで直接アクセスできるか |
| キッチンとの距離 | コンロ・シンクからパントリーの入口まで何歩か |
| 通路幅 | ウォークイン型は通路幅60cm以上あるか |
| 扉の開き方 | 引き戸か開き戸か。開いたときに動線を妨げないか |
| 採光・換気 | 窓の有無、換気扇の計画があるか |
| コンセント | 家電を置く予定がある場所に電源があるか |
パントリーの費用はどのくらいかかる?
パントリーの追加費用は、ウォークイン型で50〜150万円前後、壁面収納型で10〜50万円前後が目安です(本体工事費基準・2024〜2026年時点の参考値)。
【注意】 費用は建築時期・地域・ハウスメーカー・仕様・延床面積によって変わります。この記事では比較時の目安として整理しており、最終的な金額は各社の見積もりで確認してください。
タイプ別の費用目安
| タイプ | 追加費用の目安 | 主なコスト内訳 |
|---|---|---|
| ウォークイン型(1.5畳) | 50〜100万円前後 | 躯体工事・床・棚・扉・換気扇・コンセント |
| ウォークイン型(2〜3畳) | 80〜150万円前後 | 上記+照明・広さ分の躯体費用 |
| 壁面収納型 | 10〜50万円前後 | 棚・造作費用のみ |
費用の差が大きい理由は「部屋として区切るかどうか」です。ウォークイン型は壁・床・天井・扉・換気設備が必要で、実質的に1部屋追加するのと同じコストがかかります。壁面収納型は棚を設置するだけなので、費用を大きく抑えられます。
【編集長コメント】 積水ハウスの打ち合わせでは、ウォークインパントリーの追加費用がざっくり80万円台と出ました。「思ったより高いな」と正直思いましたが、毎日使う場所なので後悔はしていません。ただ、最初から棚の計画をセットで詰めておかないと、後から造作棚を追加して費用が膨らむケースがあります。間取りと棚計画は必ずセットで見積もりを取ってください。
ハウスメーカーによる違い
パントリーの標準仕様・オプション扱いはメーカーによって異なります。標準でウォークインパントリーが選べるメーカーもあれば、すべてオプション扱いのメーカーもあります。展示場で確認する際は「パントリーは標準仕様に含まれますか」と最初に確認しておくと、見積もりの比較がしやすくなります。
どのメーカーが自分のライフスタイルに合うか迷っている方は、ハウスメーカー相性診断(無料・約2分)で方向性を整理してみてください。
よくある後悔ポイント
設計打ち合わせで見落とされやすい5点です。展示場に行く前に一度確認しておくと、打ち合わせの質が上がります。
「広さは十分なのに使いにくい」
棚板の高さ・奥行き・間隔を最初に決めなかったことが原因です。入居後に「ここに電子レンジが入らない」と気づいても、造作棚の変更は大工事になります。可動式棚を採用しておくと後から高さを調整できますが、それでも奥行きだけは最初に決めないといけません。
「キッチンから遠くて使わなくなった」
パントリーがキッチンから離れた場所に配置されると、面倒になって素通りするようになります。「リビングの端にある収納」と同じ末路をたどるパターンです。間取り図上で、キッチンに立った状態からパントリーまでの歩数を数えてから決めてください。
「コンセントが少なかった」
電子レンジ・炊飯器・トースター・ホームベーカリーなど置きたい家電の台数を数えて、さらに1〜2口余分に計画するのが基本です。後から増設すると天井や壁を一部解体する大工事になります。多めに計画してもコストは数万円の差なので、ケチらないことをおすすめします。
【編集長コメント】 わが家はパントリーに6口コンセントを設置しましたが、入居後に「もう2口あれば良かった」と思いました。家電は後から増える一方なので、計画の段階では「多すぎるかな」と感じるくらいの数を入れておくのが正解です。
「換気を考えなかった」
食材を保管する場所なので、臭いや湿気は避けられません。換気扇か小窓のどちらかを必ず設置してください。換気扇のほうが効果は高いですが、小窓でも採光と換気を同時に確保できます。後から換気設備を追加するのは費用がかかるため、設計段階で確定させてください。
「扉をつけなければよかった」
逆に、オープンにしたほうが使いやすかったというケースもあります。来客の視線が届かない配置であれば、扉なしで動線を最短にするのも選択肢です。扉をつける場合は引き戸が使いやすく、開き戸は通路幅を圧迫することがあります。
設計士に相談する前の確認リスト
このリストを埋めてから展示場・打ち合わせに臨むと、設計士から的確な提案をもらいやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 入れたいもの一覧 | 食材・飲料・家電・日用品・ゴミ箱など具体的に書き出す |
| 家電の台数と大きさ | 電子レンジ・炊飯器などのサイズを事前に把握する |
| 買い物のスタイル | 週1まとめ買いか、毎日少量購入か |
| 希望する形・広さ | ウォークイン・壁面・オープンのどれか |
| 動線の優先順位 | 玄関→パントリー動線か、キッチン隣接を優先するか |
| 扉の有無 | 来客の目線・使い勝手のどちらを優先するか |
| コンセント数 | 置く家電の台数+1〜2口を計画する |
| 換気・採光 | 窓か換気扇か、どちらを入れるかを確認する |
【知っておきたいポイント】 設計打ち合わせの前に「パントリーに入れたいもの」を具体的にリストアップしておくと、設計士から的確な提案をもらいやすくなります。「食材・家電・日用品ストック・ゴミ箱・掃除用具」など、書き出して持参するのがおすすめです。
まとめ
- 形や広さより先に「何を入れるか・誰がどう使うか」を決める。この順番を間違えると、広いのに使いにくいパントリーができあがります。
- キッチンとの動線・コンセント計画・換気の3点を打ち合わせ前に整理する。後から変えると費用がかかる項目です。
- 広くするほど棚計画がセットで必要になる。面積だけ決めて終わりにしない。
- 費用はウォークイン型で50〜150万円前後、壁面収納型で10〜50万円前後が目安。ハウスメーカーによって標準仕様の範囲が違うため、展示場で確認する。
メーカーによってパントリーの提案スタイルや標準仕様の範囲はかなり違います。まだメーカーが絞れていない方は、ハウスメーカー相性診断(無料・約2分)で自分に合う方向性を確認してみてください。
積水ハウスを検討中の方は、実際に8社を比較した施主として率直にお伝えできることがあります。担当者の無料紹介から、優秀な営業・設計士をご紹介することも可能です。わが家見学(千葉・実邸)で実際の収納まわりを見ていただくこともできます。
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よくある質問
Q. パントリーは何畳あれば十分ですか?
2〜4人家族でウォークイン型なら1〜1.5畳が目安です。電子レンジや炊飯器など家電を複数置く場合は1.5〜2畳を検討してください。「広くすれば安心」と広げすぎると、棚計画なしでは整理しにくくなります。
Q. パントリーに扉は必要ですか?
来客の視線が届く場所なら扉ありが無難です。キッチン横でオープンにすると動線が短くなりますが、生活感が出やすいデメリットもあります。来客の目線が届かない配置なら、扉なしのほうが使い勝手が上がることもあります。
Q. ウォークインパントリーと壁面収納型の違いは何ですか?
ウォークインは中に入れるタイプで収納量が大きく、壁面全体を使えます。ただし通路幅が必要なため面積を使います。壁面収納型は省スペースで済みますが、収納量に上限があります。費用差もあり、ウォークインは50〜150万円前後、壁面収納は10〜50万円前後が目安です。
Q. パントリーのコンセントはいくつ必要ですか?
置く家電の台数を数えて、さらに1〜2口余分に計画するのが基本です。電子レンジ・炊飯器・ポットだけでも3口、ホームベーカリーや小型冷蔵庫も置くなら5〜6口が目安になります。後から増やすのは大工事になるため、多めに計画しておくほうが安心です。
Q. パントリーの追加費用はどのくらいかかりますか?
ウォークイン型で50〜150万円前後、壁面収納型で10〜50万円前後が目安です(本体工事費基準・2024〜2026年時点の参考値)。ハウスメーカーによって標準仕様の範囲が異なるため、展示場で「パントリーは標準に含まれますか」と確認しておくと、見積もり比較がしやすくなります。
Q. パントリーなしで後悔しますか?
まとめ買いをする家族や食材ストックが多い家庭では、後悔する声が多いです。一方、2人暮らしで食材を少量ずつ購入するスタイルなら、キッチン収納の充実で対応できるケースもあります。ライフスタイルと買い物の頻度を基準に判断してください。

