公開情報の整理・解説

新築のコンセント配置図の考え方|場所別チェックリストと後悔しないポイント

家づくりの打ち合わせが進むと、突然「では次回は電気の打ち合わせです」と言われる。コンセントの位置を自分で決める、という段階が来るのだ。

……正直、最初は全然わからなかった。「どこに何個必要か」なんて、今まで考えたことがない。賃貸では「コンセントが少ないな」と不満を感じることはあっても、自分で設計するとなると話が別だ。

この記事は、そういう「コンセントのことなんて考えたことなかった」という段階から打ち合わせに臨んだ人間が、調べて整理した内容をまとめたものです。

この記事について iekatsu編集部が、新築設備打ち合わせの経験者の声と公開情報をもとに編集しています。コンセントの具体的な位置は間取りや家電の使い方によって異なるため、最終的な判断は設計士・電気工事担当者に確認してください。


目次

まず「後悔談」から入る理由

コンセントの打ち合わせで困るのは、「失敗が住んでから初めてわかる」という点だ。壁に埋め込まれてしまえば、後から変えるのは大工事になる。

住んでから後悔したと語る施主の声でよく出てくるのが、こういう話だ。

ソファを置いたらコンセントがちょうどその裏に来てしまい、使えない。テレビ背面のコンセントが見える位置についていて、ケーブルが丸見え。キッチンカウンターに小型家電を並べたら口数が足りなくて、タコ足配線になった。ベッド横に1か所もなく、スマホを充電するたびに延長コードを引っ張っている。

読んでいくうちに「これ、全部打ち合わせ前に想像できた話だ」と気づく。問題は、その段階では「失敗がリアルに想像しにくい」ことにある。


順序が大事。コンセントは「家具の後」に決める

打ち合わせで最初にやるべきことは、コンセントの数を決めることではない。家具をどこに置くかを、先に間取り図に書き込むことだ。

これをやらずにコンセントを決めると、ソファや棚の後ろに隠れる位置にコンセントがついてしまう。「壁にコンセントあります」という状態でも、家具に完全にふさがれていれば存在しないのと同じだ。

間取り図に鉛筆でいいので、ソファ・ダイニングテーブル・ベッド・デスク・冷蔵庫・洗濯機の位置を書き込んでみる。そこから「この家具の周りで何を使うか」を考えると、必要な場所と高さが自然に見えてくる。

もうひとつ意識したいのが「5年後の生活」だ。在宅ワークが増えてデスクを置くかもしれない。電動自転車を買うかもしれない。子どもが大きくなってゲーム機が増えるかもしれない。新築時にすべて予測するのは難しいが、「変わりそうな場所には余裕を持たせる」という発想が役に立つ。


場所ごとに、何を使うかを考える

リビング・ダイニング ── 後悔が最も多い部屋

家の中でいちばん家電が集まり、かつ家具の配置が変わりやすい部屋がリビングだ。だからこそ、後悔談も多い。

テレビ周りは、テレビ本体だけでなくレコーダー・ゲーム機・サウンドバーなどが増えることを想定して3〜4口は確保したい。テレビ台の幅や高さも確認した上で、ケーブルが見えにくい背面の低い位置につけるとすっきりする。

ソファ周りは盲点になりやすい。スマホ充電・間接照明・加湿器など、ソファ横で使うものを書き出してみると「1か所では足りない」とわかる。ソファの両端それぞれの壁に1か所ずつあると安心だ。

ダイニングテーブル付近は、ホットプレートやパソコンを使う場合に必要になる。床から高めの位置につけておくと、コードが垂れ下がりにくい。

エアコン用は専用回路になるため、設計段階で必ず確認する。

用途位置の目安確認ポイント
テレビ周りテレビ背面・低い位置台数・AVラックの幅
エアコン高い位置専用回路が必要
ソファ両端壁の低い位置スマホ充電・照明
ダイニングテーブル横床から高めの位置ホットプレート・パソコン
掃除機充電収納内または廊下接続部スタンド型の高さに合わせる

キッチン ── 小型家電の増殖に備える

キッチンで多い後悔は「小型家電が増えてタコ足になった」だ。トースター・コーヒーメーカー・電気ケトル・ミキサー……気づくとカウンターに並ぶ家電が増えている。

冷蔵庫・電子レンジ・食洗機など消費電力の大きい家電は専用回路が推奨される。これはコンセントの「数」より「回路」の問題なので、設計士に確認が必要だ。

もう一つ忘れやすいのが、パントリーや背面収納の内部だ。棚の中に炊飯器や電気ポットを入れる場合、そこにコンセントがないと意味がない。収納を設計するタイミングで、「内部に電源が必要か」を必ずセットで確認する。

用途位置の目安確認ポイント
冷蔵庫設置スペース横専用回路推奨
電子レンジ・炊飯器カウンター上またはパントリー内棚の高さに合わせる
食洗機シンク下または引き出し横ビルトインか後付けかで変わる
トースター・ケトル等カウンター端2〜3口以上を想定

洗面・脱衣所 ── 湿気と電力の両方を確認

ドライヤー・洗濯機・乾燥機など、一瞬に大きな電力を使う家電が集まる場所だ。洗濯機・乾燥機は専用回路が必要になるケースが多い。

ドライヤー用のコンセントは高さが重要で、立ったまま使う目線から腰くらいの位置が使いやすい。収納の中で充電させたい場合(電動歯ブラシ・シェーバーなど)は、洗面台内部や鏡裏にコンセントを設けることもある。

湿気が多い場所なので、防水・防湿仕様のコンセントが必要かどうかも確認しておきたい。

寝室・子ども部屋 ── 枕元と「将来」を意識する

寝室は、ベッドの位置を先に決めることが前提だ。枕元の左右それぞれに1か所あると、スマホ充電・ナイトライト・加湿器などが両側から使えて便利だ。

子ども部屋は、今の年齢で判断せず「中高生になったときのデスク配置」も考えると良い。デスクをどの壁に向けて置くかが変わるため、複数の壁に1か所ずつ分散させておくと対応しやすくなる。

玄関・廊下 ── 後から追加が最も大変な場所

廊下は電気工事のルート的に後付けが難しい場所だ。「使わないかもしれないけど」と迷うくらいなら、つけておいた方が後で悔やまない。

よく忘れられるのが、Wi-Fiルーター置き場だ。電波を家全体に届けるために廊下や階段ホールの中央付近に置きたいが、そこにコンセントがないとリビングから延長コードを引っ張ることになる。

屋外コンセントも検討したい。高圧洗浄機・電動自転車充電・庭のイルミネーション。「今は使わない」と思っても、新築後に必要になったと感じる施主は多い。後付けの工事コストを考えると、初期費用の方が圧倒的に安い。

用途確認ポイント
Wi-Fiルーター廊下・階段ホールの中央付近
電動自転車・EV充電屋外コンセントの設置
季節家電・一時置きクローゼット・収納内部
2階掃除機充電2階廊下に1か所以上

打ち合わせ前のチェックリスト

以下を確認しながら、設計士との打ち合わせに臨むと抜け漏れが減る。

リビング・ダイニング

  • テレビ周りに3〜4口確保しているか
  • ソファの両端の壁にコンセントがあるか
  • エアコン専用コンセントが高い位置にあるか
  • ダイニングテーブル付近に電源があるか
  • 掃除機の充電場所を決めているか

キッチン・パントリー

  • 冷蔵庫専用回路があるか
  • カウンター上に2〜3か所以上あるか
  • パントリー・背面収納の内部にコンセントがあるか
  • 食洗機の位置に合わせた電源があるか

洗面・脱衣所

  • 洗濯機の専用回路があるか
  • ドライヤーを使いやすい高さにコンセントがあるか
  • 防水・防湿タイプが必要な場所を確認しているか

寝室・子ども部屋

  • ベッドの左右に各1か所あるか
  • 子ども部屋は複数の壁に分散しているか

玄関・屋外・廊下

  • 玄関収納内にコンセントがあるか
  • 屋外コンセントの設置を検討したか
  • 廊下・階段ホールにWi-Fi機器用の電源があるか
  • 2階廊下に掃除機充電用のコンセントがあるか

iekatsu編集部から

コンセントの数は「多すぎて困ることはない」とよく言われるが、増やすたびにコストが上がるのも事実だ。打ち合わせで全室一気に決めようとすると判断が雑になりやすい。部屋ごとに「実際の生活を頭の中でシミュレーションしながら1か所ずつ確認する」ペースが、結果的に後悔を減らすと思う。設計士に「生活動線に沿って一緒に確認してほしい」と頼んでみてほしい。


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まとめ

コンセント配置で後悔しないための考え方を3点に絞ると、こうなる。

まず、家具レイアウトを先に決めてからコンセント位置を考える。次に、固定家電だけでなく「動く家電」と「将来増えそうな家電」まで想定する。そして、廊下・パントリー・屋外など「後から追加しにくい場所」を打ち合わせ前にリストアップしておく。

どのハウスメーカーで建てるかがまだ決まっていない段階でも、この記事の考え方は使える。メーカーを絞る前にやっておきたいことがあれば、ハウスメーカー相性診断から始めてみてほしい。


よくある質問

Q. コンセントは1部屋に何個が目安ですか?

参考値として、リビングは6〜8か所、寝室は4か所、子ども部屋は3〜4か所が挙げられることが多い。ただしこれはあくまで目安で、家電の使い方と家具の配置によって変わる。使う家電を書き出してから必要数を考えた方が、実態に合った数になる。

Q. 後から増設できますか?

露出配線なら後付けできる場合があるが、壁内に埋め込む増設は大がかりな工事になる。費用と見た目の両面で、新築時に決めておくのが現実的だ。

Q. キッチンや洗面所は「専用回路」が必要ですか?

冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・乾燥機・食洗機などは消費電力が大きく、専用回路の設置を求められることが多い。使う家電の種類を設計担当者に伝えて確認してほしい。

Q. 屋外コンセントは本当に必要ですか?

「今は使わない」と判断して省いた施主が、後で後悔するケースが多い設備だ。高圧洗浄機・電動自転車・EV充電・外構照明など、設置後に用途が出てくることが多い。後付け工事のコストを考えると、迷うなら初期につけておく方が安い。

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この記事を書いた人積水ハウス施主のホンネ

8社を比較してシャーウッドで建築。見積もり・設計・契約後の打ち合わせを経験した立場から、検討中に知りたかったことを書いています。

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