積水ハウスで家を建てることを決めたものの、「鉄骨(イズシリーズ)と木造(シャーウッド)、どっちを選べばいいの?」と悩む方は非常に多いです。同じ積水ハウスでも構造が異なれば、外壁・耐震技術・断熱性能・デザインの方向性がまったく変わります。
結論からお伝えすると、鉄骨と木造のどちらが優れているかではなく、「自分が何を優先するか」で答えが決まります。耐震等級はどちらも3、大空間設計はどちらも得意、見積もり金額にも大きな差はありません。違いが出るのは耐震+制震の仕組み、防火性能、断熱性、そして外壁のデザインです。
この記事では、実際にイズシリーズとシャーウッドの両方を比較検討し、シャーウッドを選んだ筆者が、それぞれのメリット・デメリットを本音で比較します。
この記事を書いた人 積水ハウス施主のホンネ|iekatsu編集長 大手ハウスメーカー8社を比較検討し、積水ハウスでマイホームを建築中(2026年)。見積もり・設計打ち合わせ・営業比較のリアルな体験をもとに記事を執筆しています。
結論|鉄骨と木造は「何を優先するか」で決まる
積水ハウスの鉄骨と木造を選ぶ際に、最も大切なのは**「自分の中で何の優先順位が高いかを先に決めること」**です。
両方を検討した実感として、以下のように整理できます。
- 耐震性・防火性を最優先するなら → 鉄骨(イズシリーズ)
- 断熱性・外観デザインを最優先するなら → 木造(シャーウッド)
大空間の設計力は積水ハウスの場合どちらも高いレベルにあるため、「鉄骨でないと広いリビングが作れない」ということはありません。価格面でも両者に大きな差はなく、構造の違いだけで判断すべきテーマです。
鉄骨(イズシリーズ)のメリット・デメリット
鉄骨住宅の強みと弱みを整理します。
メリット1:耐震+制震シーカスの二段構え
鉄骨1・2階建てのダイナミックフレーム・システムには、制震システム「シーカス」を搭載できます。地震時の建物の変形量を1/2以下に抑える「耐震+制震」の二段構えは、鉄骨ならではの強みです。シーカスの搭載率は90%を超えており、ほぼ標準装備と言えます。
シャーウッドでも耐震等級3は標準で取得していますが、シーカスに相当する制震装置はありません(免震システムはオプションで対応可能)。耐震性能を最も重視する方には、鉄骨が安心です。
メリット2:住宅密集地での火災リスクに強い
鉄骨構造に加え、外壁のダインコンクリートは840度の熱に耐える防火性能を持ちます。東京のような住宅密集地では、隣家からのもらい火リスクを考えると鉄骨+ダインコンクリートの組み合わせは大きな安心材料です。
木造のシャーウッドも耐力壁やベルバーン外壁による防火性能は備えていますが、素材の特性上、鉄骨ほどの耐火性は持ちません。
メリット3:ダインコンクリートの重厚感
厚さ約55mmのダインコンクリートは、深い凹凸による重厚な邸宅感が魅力です。リアルな石積みのような質感は、他社の外壁では出せない存在感があります。
デメリット1:断熱性が低く、夏暑く冬寒くなりがち
鉄骨造の最大のデメリットは断熱性能です。鉄は木に比べて熱を伝えやすいため、構造体自体が「熱橋(ヒートブリッジ)」になりやすく、夏は暑く冬は寒くなりがちです。積水ハウスでは断熱対策として専用の設計が施されていますが、木造と比べると不利な点は否めません。
デメリット2:屋根勾配の自由度が木造より低い
鉄骨の場合、屋根勾配は5寸が標準です。シャーウッドのように2.5寸の緩い勾配を選ぶことが難しく、水平ラインを強調したシャープな外観を作りにくい傾向があります。特に平屋の場合、この差は外観の印象に大きく影響します。
木造(シャーウッド)のメリット・デメリット
木造住宅の強みと弱みを整理します。
メリット1:鉄骨のデメリットをカバーする断熱性能
シャーウッドは木造であるため、鉄骨造のデメリットである断熱性の低さをカバーできます。木材は鉄に比べて熱伝導率が低く、構造体自体が断熱材のような役割を果たします。断熱等級6にも対応可能で、快適な温熱環境を実現しやすいのが強みです。
メリット2:ベルバーン外壁の焼き物の高級感
シャーウッド専用の陶板外壁「ベルバーン」は、粘土を約1,100度で焼き上げた焼き物です。釉薬によるツヤ感と陰影が生み出す高級感は、ダインコンクリートとはまったく異なる方向性の美しさです。
さらにベルバーンは焼き物のため紫外線による色あせが極めて少なく、塗り替えが基本的に不要です。メンテナンスコストの面でもメリットがあります。
メリット3:緩い屋根勾配で水平美のある外観
シャーウッドは屋根勾配を2.5寸と緩く設計できるため、水平ラインが美しいシャープな外観を実現できます。深い軒を出すことで、一枚の板が浮いているような伸びやかなシルエットが生まれます。
メリット4:木の温もりを活かしたインテリア
木造ならではの木の質感を室内に活かせます。無垢材のフローリングや木製の造作家具との相性が良く、温かみのあるナチュラルな空間づくりが得意です。
デメリット1:制震シーカスは搭載不可
シャーウッドには鉄骨用の制震システム「シーカス」を搭載できません。耐震等級3は標準で取得しており、基礎ダイレクトジョイントやMJ接合システムによる高い耐震性能はありますが、制震技術を求める場合は別途免震システム(オプション)を検討する必要があります。
デメリット2:防火性能は鉄骨に劣る
木造は鉄骨に比べて防火性能で不利です。ベルバーン外壁自体の耐火性は高いものの、構造体が木である以上、鉄骨+ダインコンクリートほどの耐火性能にはなりません。住宅密集地で防火性能を重視する方は、この点を考慮しましょう。
編集部のリアルな声
【編集長の実体験から】
筆者は鉄骨のイズシリーズと木造のシャーウッドの両方を真剣に検討した上で、シャーウッドを選びました。
決め手はベルバーン外壁のデザインと、チーフアーキテクトによる間取り提案の質です。筆者の場合は見た目の優先度が高かったため、焼き物の陰影とツヤ感を持つベルバーンに惹かれました。
一方で、耐震性を最も重視するならシャーウッドでも十分ですが、イズを選んだ方がいいと思っています。シーカスによる制震技術は木造にはない安心材料ですし、東京のような住宅密集地では火災時に隣家へ延焼するリスクを考えると鉄骨の方が安心です。
逆に言えば、シャーウッドは鉄骨のデメリット部分をすべてカバーできます。断熱性の低さ、屋根勾配の制約、外壁の方向性の違い。鉄骨で「ちょっと気になるな」と感じるポイントが、木造ではすべて解消される印象です。
そして多くの方が気になる価格差について。実際にイズとシャーウッドの両方で見積もりを取りましたが、金額差はほとんどありませんでした。 ネット上では「鉄骨の方が高い」という情報が多いですが、筆者の実体験ではそうではなかったです。「鉄骨は高いから」という理由で選択肢を狭めるのはもったいないので、ぜひ両方の見積もりを取ってみてください。
鉄骨と木造の項目別比較表
主要な項目で鉄骨と木造を比較します。
| 項目 | 鉄骨(イズシリーズ) | 木造(シャーウッド) |
|---|---|---|
| 構造 | 軽量鉄骨造(ダイナミックフレーム) | 木造軸組(独自構法) |
| 耐震等級 | 3(標準) | 3(標準) |
| 制震装置 | シーカス(搭載率90%超) | なし(免震はオプション) |
| 大空間 | 1階最大スパン7m/2階最大スパン10m | 最大スパン約6m(ややイズがリード) |
| 外壁 | ダインコンクリート(重厚感) | ベルバーン(焼き物の高級感) |
| 断熱性 | 鉄の熱橋が課題 | 木の断熱性を活かせる(断熱等級6対応可) |
| 防火性 | 最高レベル | 標準レベル |
| 屋根勾配 | 5寸が標準 | 2.5寸の緩勾配が可能 |
| メンテナンス | ダインコンクリートは約30年で再塗装 | ベルバーンは塗り替え基本不要 |
| 価格帯 | 坪単価100〜120万円 | 坪単価80〜100万円 |
| 実際の見積もり差 | ほぼ変わらない(筆者実体験) | ほぼ変わらない(筆者実体験) |
【知っておきたいポイント】 大空間設計は積水ハウスの場合、鉄骨・木造どちらも高いレベルで対応できます。「鉄骨でないと広いリビングは作れない」というのは積水ハウスにおいては当てはまりません。ただし最大スパンではイズが1階7m・2階10mに対し、シャーウッドは約6mと、イズがやや上回ります。極限まで開口を広げたい場合は鉄骨が有利です。
こんな人は鉄骨、こんな人は木造がおすすめ
判断に迷っている方のために、おすすめの選び方を整理します。
鉄骨(イズシリーズ)がおすすめな人:
- 耐震性能を最優先したい(制震シーカスが欲しい)
- 東京などの住宅密集地に建てる(防火性能を重視)
- ダインコンクリートの重厚な外観が好き
- 極限まで広い大開口を実現したい
木造(シャーウッド)がおすすめな人:
- 断熱性能を重視したい(夏涼しく冬暖かい家が欲しい)
- ベルバーンの焼き物の質感が好き
- 水平ラインの美しい外観を求めている
- 木の温もりを感じるインテリアにしたい
- 外壁の塗り替え不要でメンテナンスコストを抑えたい
どちらでもいい人:
- 大空間設計を求めている(どちらも対応可能)
- 価格で選びたい(実際の見積もり差はほぼない)
- 耐震等級3が取れればOK(どちらも標準取得)
まとめ
積水ハウスの鉄骨と木造の違いを、実体験をもとに比較しました。
- 「何を優先するか」を先に決めることが最も大事。耐震・防火なら鉄骨、断熱・デザインなら木造
- 耐震等級はどちらも3で同等。鉄骨には制震シーカスがあり、木造には基礎ダイレクトジョイントがある
- 大空間設計は積水ハウスの場合どちらも得意。ややイズがスパンで上回る程度
- 鉄骨と木造の見積もり金額にはほぼ差がない(ネットの「鉄骨が高い」は必ずしも正しくない)
- シャーウッドは鉄骨のデメリット(断熱性・屋根勾配)をカバーでき、逆にイズは木造のデメリット(防火・制震)をカバーできる
迷っている方は、まず展示場でダインコンクリートとベルバーンの実物を見比べてみてください。外壁のデザインの好みが、意外と最終決断の決め手になることが多いです。
家づくりのリアルな体験談は、TikTok(@building_house_papa)でも発信しています。
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よくある質問(FAQ)
Q. 鉄骨と木造で価格差はある?
ネット上では「鉄骨の方が高い」という情報が多いですが、筆者が実際に両方の見積もりを取った結果、金額差はほとんどありませんでした。カタログ上の坪単価では鉄骨がやや高く見えますが、実際のプランでは仕様やオプションの選び方によって逆転するケースもあります。「鉄骨=高い」というイメージだけで選択肢を狭めず、両方の見積もりを取ることをおすすめします。
Q. 耐震性能はどちらが上?
どちらも耐震等級3を標準で取得しており、基本的な耐震性能に大きな差はありません。ただし、鉄骨には制震システム「シーカス」が搭載でき、地震時の建物の変形量を1/2以下に抑えます。耐震性能を最も重視する方、住宅密集地で防火性能も求める方には鉄骨がおすすめです。
Q. 途中で鉄骨から木造(またはその逆)に変更できる?
設計の初期段階であれば構造の変更は可能ですが、設計が進んでからの変更は間取り・外壁・基礎すべてが変わるため、大幅なやり直しになります。できれば検討の早い段階で両方のプランを出してもらい、比較した上で構造を決定するのがベストです。

