新築への入居前にやることは、大きく「新居の準備作業」「各種手続き」「近隣への挨拶」の3つに分かれます。荷物が入る前のタイミングが最もやりやすい作業が多く、引き渡し後すぐに動けるかどうかが快適な新生活のスタートを左右します。この記事では、優先度順に整理したチェックリスト形式でやることを網羅的に解説します。
入居前にやること一覧|優先度・タイミング別チェックリスト
引き渡しを受けたら、荷物を運び込む前に以下の順序で動くのが基本です。やることは「荷物ゼロの状態でないとできないこと」から先に済ませると、のちの掃除や修繕の手間を大幅に減らせます。
| タイミング | やること | 優先度 |
|---|---|---|
| 引き渡し当日〜翌日 | 傷・汚れの確認・写真撮影 | 高 |
| 引き渡し当日〜翌日 | 設備の動作確認 | 高 |
| 引っ越し前までに | 害虫対策(燻煙剤・侵入口ふさぎ) | 高 |
| 引っ越し前までに | 水回りのコーティング | 高 |
| 引っ越し前までに | 汚れ防止シート・保護グッズの設置 | 高 |
| 引っ越し前までに | 床・壁の養生 | 中 |
| 引っ越し前までに | 家具・家電の配置計画と採寸 | 中 |
| 引っ越し日まで | ライフライン(電気・ガス・水道)の手続き | 高 |
| 引っ越し日まで | インターネット回線の手配 | 高 |
| 引っ越し日まで | 住民票・郵便物の住所変更 | 高 |
| 引っ越し前後 | 近隣への挨拶 | 中 |
| 引っ越し前後 | 防災対策(避難場所の確認など) | 中 |
荷物を入れる前にやること|新居の準備作業
1. 傷・汚れの確認と写真撮影
引き渡し当日に行う最初の作業です。新築でも工事中のほこりや木くずが残っていることがあり、また壁・床・建具に微細な傷がついている場合があります。
各部屋を一通り確認し、気になる箇所は日時入りで写真を撮っておきます。引き渡し前の施主検査で見逃した点があれば、この段階で施工会社に連絡すれば補修してもらえます。入居後に発覚すると「施主が傷つけた」と判断されるリスクがあるため、引き渡し当日の記録が重要です。
2. 設備の動作確認
水道の蛇口・シャワー・トイレ・照明・エアコン・インターホンなど、全設備が正常に動くかを確認します。取扱説明書や保証書の有無もこの段階で整理しておきましょう。
不具合があれば引っ越し前に修理が完了するよう、施工会社に早めに連絡することが大切です。入居後は原因の特定が難しくなる場合があります。
3. 害虫対策
新築でも、建材の隙間から虫が侵入することがあります。家具や人がいない空の状態では、燻煙タイプの殺虫剤が最も効果的です。部屋全体に薬剤が行き渡るため、隅に潜む害虫も駆除できます。
あわせて以下の侵入経路を事前にふさいでおきます。
- エアコンの排水ホースにキャップを取り付ける
- 排水口にネットを設置する
- 換気扇の外側フードを確認する
なお、キッチンの換気扇に別売りのフィルターを追加する方法はSNSで紹介されることがありますが、多くのメーカーが取扱説明書で別売りフィルターの使用を控えるよう案内しています。モーターへの負荷がかかり故障の原因になる可能性があるため、取り付けは避けるのが無難です。
4. 水回りのコーティング・汚れ防止処理
水回りは入居前のコーティングが最も効果的です。家具や人がいない状態で全面に処理できます。
キッチン・シンク 水垢・カビを防ぐコーティング剤を施す。IHやガスコンロ周りには汚れ防止シートを敷く。
浴室・洗面台 鏡に水アカ防止コーティング。浴槽・壁・床に防カビ処理を行う。排水溝にもゴミ受けを設置しておくと日々の掃除が楽になります。
トイレ 便器の内側・外側ともにコーティング剤を塗布しておくと汚れが付きにくくなります。
5. 汚れ防止シート・保護グッズの設置
収納や設備を長く清潔に保つために、以下のアイテムを空の状態のうちに設置します。
- 食器棚・引き出しの底:防虫・汚れ防止シート
- 冷蔵庫・洗濯機の下:防振マット(振動音の軽減にもなる)
- 家具の脚の底:傷防止パッド(フローリング保護に有効)
- レンジフードのフィルター:本体純正または対応品を確認のうえ設置
無垢フローリングは特に傷がつきやすいため、重い家具を置く前に保護マットを敷いておくことをおすすめします。
6. 床・壁の養生
引っ越し業者が搬入するルート(玄関・廊下・階段)を中心に養生テープや養生シートで保護しておくと、搬入時の傷や汚れを防げます。大型の家具・冷蔵庫・洗濯機などを設置する場所も先に養生しておくと安心です。
7. 家具・家電の配置計画と採寸
間取り図をもとに、どこに何を置くかを決めておきます。搬入当日に指示できると、引っ越し業者との連携がスムーズになります。
確認しておくべき点は以下のとおりです。
- 家具・家電のサイズが搬入口(玄関・廊下・ドア幅)を通るか
- コンセントの位置と家電の配置が合っているか
- 冷蔵庫のスペースに放熱のための隙間があるか
- WIC(ウォークインクローゼット)やパントリーの収納計画はできているか
採寸メモを作っておくと、不足している家具・収納グッズをまとめて購入できます。
引っ越し前に済ませる手続き
ライフライン(電気・ガス・水道)の手続き
引き渡し後すぐに手続きを開始しましょう。特にガスは現地での開栓立会が必要です。引っ越し繁忙期(3〜4月)は業者の予約が取りにくくなるため、1〜2ヶ月前から日程を調整するのが理想的です。
- 電気:新居への供給申し込みと、旧居の解約手続きを同時に進める
- ガス:ガス会社に連絡し、開栓立会の日程を決める
- 水道:水道局へ使用開始の連絡をする(地域によって手続き方法が異なる)
インターネット回線の手配
回線の開通工事は申し込みから1ヶ月前後かかる場合があります。新築の場合、建物への新規引き込み工事が必要になることも多く、申し込みが遅れると入居後しばらくインターネットが使えない期間が生じます。早めの手配が必須です。
住民票・郵便物の住所変更
- 住民票の異動:引っ越し後14日以内に市区町村窓口で届け出が必要(法定義務)
- 郵便物の転送:郵便局に「転居・転送サービス」を申請する(1年間、旧住所宛の郵便が新住所へ転送される)
- その他の住所変更:銀行・クレジットカード・保険・運転免許証・パスポートなど、忘れがちな変更先をリスト化して順番に進める
引っ越し業者の手配
3〜4月の繁忙期や大型連休前後は料金が高く、予約も取りにくくなります。日程が決まったら早めに複数社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比べることをおすすめします。
引っ越し前後にやること
近隣への挨拶
引き渡し後から引っ越し日の前後を目安に、両隣・真上・真下(マンションの場合)、または向こう三軒両隣(戸建ての場合)に挨拶に伺います。500〜1,000円程度の消耗品(タオル・洗剤・お菓子など)を持参するのが一般的なマナーです。
工事の騒音や引っ越し作業の往来でご迷惑をかけている場合もあるため、挨拶は早めが無難です。
防災対策
新しいエリアでの防災準備を引っ越し前に整えておきます。
- 自治体のハザードマップで浸水・土砂災害リスクを確認する
- 最寄りの避難場所と避難ルートを確認する
- 非常用持ち出し袋を用意する
- 家具転倒防止グッズ(L字金具・突っ張り棒など)を設置する
入居前の準備でやってはいけないこと
換気扇への別売りフィルター追加 汚れ防止として紹介されることがありますが、モーターに負荷がかかり故障の原因になる可能性があります。多くのメーカーが使用を控えるよう案内しています。
確認なしのDIYコーティング 市販のコーティング剤の中には、素材と相性が悪いものがあります。特に無垢フローリングや特殊加工の床材には素材対応のものを選ぶ必要があります。施工会社に確認してから使用するのが安心です。
よくある質問
Q. 入居前の準備はいつ頃から始めればいい?
A. 引き渡し日が決まったら、インターネット回線とガスの手配から動き始めるのがおすすめです。どちらも1ヶ月以上前から動かないと引っ越し当日に間に合わない場合があります。新居の準備作業(コーティング・害虫対策など)は引っ越しの1〜2週間前に行うと、薬剤の換気時間も確保できます。
Q. 新築でも掃除は必要?
A. 必要です。工事中に発生したほこりや木くず、建材の粉が残っていることがあります。家具が入る前の空の状態で床・壁・収納内部を掃除しておくと、入居後の清掃がずっと楽になります。
Q. 入居前の準備グッズはどこで買える?
A. ホームセンターで大半が揃います。汚れ防止シート・コーティング剤・害虫対策用品・養生テープ・傷防止パッドなど、専用コーナーに入居準備グッズがまとまっていることが多いです。100円ショップでも傷防止パッドや引き出し用シートなどは手に入ります。
Q. 水回りのコーティングは自分でできる?
A. 基本的な汚れ防止コーティングは市販品で対応できます。シンクや浴槽の水垢・カビ防止コーティングは説明書通りに施工すれば一般の方でも問題ありません。ただし、特殊素材の床や大理石の洗面台などは専用品が必要なため、素材を確認してから購入しましょう。
まとめ:入居前にやることの優先順位
入居前の準備は「荷物がない状態でしかできないこと」を最初にやることが鉄則です。
まず引き渡し当日に傷・汚れの確認と設備の動作確認を行い、その後害虫対策・水回りのコーティング・汚れ防止処理を進めます。手続き面では、インターネット回線とガスの手配が特に時間がかかるため、引き渡し前後に早めに動き始めることが大切です。
チェックリストをプリントアウトして一項目ずつ確認しながら進めると、抜け漏れを防げます。準備を丁寧にやっておくと、引っ越し後の生活が格段にスムーズになります。

