住宅ローン控除の還付金は、確定申告(書面・持参)なら申告から約1〜1.5ヶ月後、e-Taxなら約3週間後に指定口座へ振り込まれます。2年目以降に年末調整で手続きした場合は、12月または1月の給与と一緒に還付されるのが一般的です。
「申告したのにいつ振り込まれるか分からない」「還付金が思ったより少ない」という疑問に、手続き方法・雇用形態別に整理しました。
住宅ローン控除の還付金が届く時期の目安
申告の方法と年次によって、還付のタイミングはそれぞれ異なります。まず下の表で「いつ手続きして、いつお金が届くか」の全体像を確認してください。
| 対象者 | 手続き方法 | 申告・手続き時期 | 還付時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 全員(初年度) | 確定申告(書面) | 翌年2月16日〜3月15日 | 申告から1〜1.5ヶ月後 |
| 全員(初年度) | 確定申告(e-Tax) | 翌年1月1日〜 | 申告から約3週間後 |
| 会社員・公務員(2年目以降) | 年末調整 | 10〜11月に書類提出 | 12月または1月の給与と同時 |
| 個人事業主・フリーランス(2年目以降) | 確定申告 | 翌年2月16日〜3月15日 | 申告から1〜1.5ヶ月後 |
【知っておきたいポイント】 「入居した年」が基準です。売買契約の時期ではありません。注文住宅で契約から竣工までに時間がかかった場合も、入居した翌年に初めて確定申告を行います。
確定申告の受付時期と還付スケジュール
確定申告の受付は原則2月16日から3月15日ですが、住宅ローン控除のような還付目的の申告(還付申告)に限っては、居住を開始した翌年の1月1日から申告できます。2月16日を待つ必要はないため、早く還付を受けたい場合はe-Taxと合わせて1月中に申告するのが最速です。
確定申告後のスケジュール例(2026年2月中旬に書面で申告した場合):
- 申告:2026年2月中旬
- 国税還付金振込通知書(ハガキ)の到着:3月下旬〜4月上旬
- 還付金の振込:ハガキ到着から4〜5日後
申告が混み合う3月中旬以降は処理に時間がかかることがあり、2ヶ月程度かかるケースもあります。
初年度(確定申告)の還付金が届くまでの流れ

会社員であっても、住宅ローン控除の初年度だけは自分で確定申告が必要です。年末調整では対応できません。
手続きの流れは以下のとおりです。
- 必要書類を揃える
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」または e-Tax で申告書を作成する
- 税務署に持参・郵送するか、e-Tax でオンライン送信する
- 国税還付金振込通知書(ハガキ)が届く
- ハガキ到着から4〜5日後に指定口座へ振込
初年度に必要な主な書類
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 確定申告書 | 税務署または国税庁のWebサイト |
| 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 税務署または国税庁のWebサイト |
| 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 住宅ローンを借りている金融機関から郵送 |
| 建物・土地の登記事項証明書 | 法務局 |
| 建物・土地の不動産売買契約書または工事請負契約書のコピー | 購入時の書類 |
| 源泉徴収票 | 勤務先 |
| マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) | — |
【知っておきたいポイント】 住宅ローンの年末残高証明書(「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」)は、金融機関によって名称が異なることがあります。初年度の申告時にどの書類を使うか、ローンを借りた金融機関に事前に確認しておくとスムーズです。
初年度の確定申告で注意すべきこと
確定申告書に記載した振込口座に誤りがあると、還付が大幅に遅れます。口座番号・名義人(必ず本人名義)を申告前に必ず確認してください。
また、還付申告(住宅ローン控除のみの申告)は1月1日から受け付けているため、書類が揃い次第、確定申告期間(2月16日)を待たずに早めに申告するのが得策です。
還付金の振込状況を確認する方法
「申告してからずいぶん経つけど、まだ振り込まれていない」という場合、次の方法で状況を確認できます。
e-Tax で申告した場合
e-Tax のマイページ(「申告・申請・納税 > 還付金の処理状況の確認」)から、処理状況をリアルタイムで確認できます。
書面で申告した場合
国税還付金振込通知書(ハガキ)が届いていない場合は、申告から2ヶ月を目安に所轄の税務署に電話で問い合わせるのが確実です。税務署の電話番号は国税庁のWebサイトで確認できます。
【注意】 還付金が振り込まれないまま通知書も届かない場合、申告書の記載に不備がある可能性があります。税務署から不備を指摘する連絡が来ることもあるため、申告時に使用した電話番号に着信がないか確認してください。
2年目以降(年末調整)の還付タイミングと注意点
会社員・公務員は、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが完結します。確定申告をする必要はありません。
還付金は、12月または1月の給与と一緒に振り込まれるのが一般的です。勤務先によっては給与とは別口座へ振り込まれる場合や、1月にまとめて支払われる場合もあるため、詳細は人事・総務部門に確認してください。
2年目以降の流れ
- 毎年10〜11月ごろ、金融機関から「住宅ローン残高証明書」が郵送で届く
- 初年度の確定申告後、税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除申告書(控除期間分まとめて)」を手元に保管しておく
- 年末調整の際、上記2点を勤務先に提出する
- 12月または1月の給与に還付分が加算される
【知っておきたいポイント】 税務署から届く「住宅借入金等特別控除申告書」は、13年分(または10年分)がまとめて入っています。1枚失くすと再発行に手間がかかるため、初年度に届いたらまとめて保管しておくことを強くお勧めします。
個人事業主・フリーランスの場合
個人事業主とフリーランスは、2年目以降も毎年確定申告が必要です。年末調整は利用できません。
また、会社員との大きな違いが1つあります。会社員は毎月の給与から所得税が前払いされているため、住宅ローン控除を適用すると「払い過ぎた分が戻る=還付」となります。一方、個人事業主は確定申告で所得税を後払いする仕組みのため、住宅ローン控除の恩恵は「納める税金が減る」という形で受け取ります。結果として、還付金がゼロになるケースも珍しくありません。
還付のスケジュールは初年度と同じく、e-Taxなら申告から約3週間、書面なら1〜1.5ヶ月後が目安です。
【注意】 個人事業主が確定申告で住宅ローン控除を適用し忘れた場合、後から修正が認められないケースがあります(青色申告特別控除を受けている場合など)。申告時に必ず確認してください。
書類の提出を忘れた場合
住宅ローン控除の申請を忘れた場合、対象年の翌年から5年以内であれば還付申告できます。ただし個人事業主は例外があるため要注意です(後述)。
- 会社員(確定申告が不要な方): 対象年の翌年1月1日から5年間、還付申告が可能
- 個人事業主・フリーランス(確定申告が必須の方): 確定申告で住宅ローン控除を忘れた場合、後から認められない可能性が高い。期限内(3月15日まで)に気づいた場合は税務署に相談する
住宅ローン控除の還付金を受け取れないケース
住宅ローン控除を受けるには、住宅・ローン・居住者に関する一定の要件があります。要件を満たさない場合は、還付金を受け取れません。
住宅ローン控除の主な適用要件
| 区分 | 主な要件 |
|---|---|
| 住宅ローン | 借入期間10年以上/金融機関等からの借入(親族・知人からはNG) |
| 住宅 | 自己居住用/床面積50㎡以上(一定条件で40㎡以上も可)/新築は省エネ基準を満たすこと(2024年以降入居) |
| 居住者 | 取得から6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで居住していること |
| 所得 | 合計所得金額2,000万円以下 |
【注意】 2024年1月以降に入居した新築住宅は、省エネ基準を満たさない場合、住宅ローン控除の対象外となりました。積水ハウスのシャーウッドなど、大手ハウスメーカーの標準仕様はほとんどが省エネ基準をクリアしていますが、中古住宅・建売の購入時は必ず確認してください。
また、転勤などで居住しなくなった期間は控除を受けられません。転勤が決まった場合は税務署への届け出が必要です。
還付金が少ない・ゼロになる理由と対策

「住宅ローン控除の計算では20万円以上戻るはずなのに、実際の還付金がずっと少なかった」というケースはよくあります。原因として最も多いのが、控除額が所得税を上回っている場合です。
住宅ローン控除は所得税から先に引かれ、引ききれない分が住民税から差し引かれます。ただし住民税からの控除には上限(年間9.75万円)があるため、控除枠を使い切れないことがあります。
年収別・借入額別の還付金シミュレーション
下の表は、新築・省エネ基準適合住宅で入居初年度の年末ローン残高をもとにした概算です。実際の金額は家族構成・各種控除の状況によって異なります。
| 年末ローン残高 | 控除額の計算式(残高×0.7%) | 年収400万円台の所得税目安 | 実際の還付金(目安) |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 14万円 | 約8〜10万円 | 約8〜10万円(差額は住民税から) |
| 3,000万円 | 21万円 | 約12〜15万円 | 約12〜15万円(差額は住民税から) |
| 4,000万円 | 28万円(上限21万円) | 約18〜22万円 | 約18〜21万円 |
| 5,000万円以上 | 35万円(上限) | 約25万円以上 | 控除枠を使い切れる可能性が高い |
【知っておきたいポイント】 「年末ローン残高×0.7%」がそのまま還付されるわけではありません。実際に還付されるのは「その年に納めた所得税の範囲内」です。所得税で引ききれなかった分が住民税から控除されますが、こちらは翌年6月以降に住民税が安くなる形で反映されるため、「振り込まれる金額」としては見えにくいです。
所得税が少ない場合の注意点
年収が低い場合や、医療費控除・ふるさと納税・生命保険料控除などを多く利用している場合は、もともとの所得税額が小さくなります。その結果、住宅ローン控除の枠が余っても還付金は増えません。
ふるさと納税との併用については、両方の利用は可能です。ただし、ふるさと納税を行うと翌年の住民税が減るため、住宅ローン控除の住民税からの控除分(最大9.75万円)と競合します。年収・ローン残高によっては、ふるさと納税の上限を少し控えめにする方が有利になる場合もあります。
産休・育休中は還付がゼロになる可能性も
産休・育休中は給与が支払われないため、源泉徴収される所得税がゼロまたは非常に少なくなります。その年の所得税が少なければ、住宅ローン控除の枠があっても還付金はゼロになります。
育休から復職した翌年以降は通常どおり還付されるため、育休中の「ゼロ」は一時的なものです。ただし控除期間(13年間)は止まらず進むため、その年の枠は使えずに過ぎていきます。
【編集部の見解】 産休・育休中の還付ゼロは、家づくりの検討段階ではなかなか気づかないポイントです。積水ハウスの打ち合わせでも担当者から説明がなかったという話をよく聞きます。資金計画を立てるときは、育休を取る予定がある年の「還付がゼロになるかもしれない」を織り込んでおくと安心です。
まとめ
- 確定申告(書面)なら申告から1〜1.5ヶ月後、e-Taxなら約3週間後に振り込まれる。早く受け取りたいなら1月からe-Tax申告が最速
- 会社員の2年目以降は年末調整で完結。12月または1月の給与と同時に還付される
- 個人事業主・フリーランスは2年目以降も確定申告が必要。還付ではなく「納税額の減少」として恩恵を受ける形になることが多い
- 還付金は「所得税の範囲内」が上限。控除枠より所得税が少ない場合は、差額が住民税から控除される(翌年6月以降に住民税が安くなる)
- 産休・育休中は所得税がゼロになり、還付もゼロになる可能性がある
住宅ローン控除は最長13年間にわたる制度です。毎年の手続きを忘れずに、確実に活用してください。
家づくりの資金計画全体を整理したい方は、家づくりの流れで全体のステップを確認しておくことをお勧めします。まだハウスメーカーを検討中の方は、ハウスメーカー診断で自分に合うメーカーの方向性を整理するところから始めてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローン控除の還付金はいつ振り込まれますか?
確定申告(書面・持参・郵送)の場合、申告から1〜1.5ヶ月後が目安です。e-Tax(電子申告)を使うと約3週間に短縮されます。申告が3月中旬に集中する時期は処理に時間がかかり、2ヶ月程度かかるケースもあります。2年目以降に年末調整で手続きした場合は、12月または1月の給与と一緒に支払われるのが一般的です。
Q. 個人事業主・フリーランスの場合、還付はどうなりますか?
個人事業主は2年目以降も確定申告が必要です。会社員とは異なり、所得税を「後払い」する仕組みのため、住宅ローン控除の恩恵は「納める税金が少なくなる」という形で現れます。還付金として口座に振り込まれないケースも多いため、「還付がなかった=控除が効かなかった」と誤解しないようにしてください。
Q. 住宅ローン控除とふるさと納税は併用できますか?
併用はできます。ただし、ふるさと納税を行うと翌年の住民税が減少するため、住宅ローン控除の住民税からの控除分(最大9.75万円/年)と競合します。ローン残高が多く、所得税で控除しきれない部分が大きい場合は、ふるさと納税の上限額を少し抑えることで、全体の控除額が増えるケースがあります。事前にシミュレーションしておくと安心です。
Q. 繰り上げ返済をすると住宅ローン控除はどうなりますか?
繰り上げ返済によってローンの返済期間が10年未満になると、その時点で住宅ローン控除の適用資格を失います。残りの控除期間があっても以降は使えなくなるため、繰り上げ返済を検討する際は返済期間が10年を下回らないよう注意が必要です。
Q. 還付金の申告を忘れてしまいました。後から申告できますか?
会社員など確定申告が不要な方は、対象年の翌年から5年以内に還付申告すれば受け取れます。一方、個人事業主など確定申告が義務の方が住宅ローン控除を忘れた場合は、後からの申告が認められない可能性があります。期限内(3月15日まで)に気づいた場合は、すぐに税務署に相談してください。

